付加年金って何?
国民年金保険料を納めている人が、国民年金保険料に月額400円の付加保険料をプラスして納めることによって、将来もらえる老齢基礎年金を、増やすことができる制度のことです。この制度、実は2年で元が取れるとってもお得な制度なんです。
2年で元が取れるんですか!?とっても興味あります~!私も始めたいです。
さとちゃんは、確か厚生年金に加入中でしたよね?この制度は、厚生年金に加入している人は利用できない制度なんです。今から詳しくお話しますね。
そうなんですね・・・ちょっとショック・・・
でも、将来利用する機会があるかもしれないので、詳しいお話はお聞きしたいので、よろしくお願いします。
付加年金とは、国民年金保険料に月額400円の付加保険料をプラスして納めることで、将来もらえる老齢基礎年金の額を増やすことができる制度のことです。
ただし、誰でも利用できるわけではありません。
この制度を利用することができるのは、
- 国民年金の第1号被保険者
- 国民年金の任意加入被保険者(65歳未満)
のいずれかに該当する人になります。
国民年金の第1号被保険者は、自営業者や学生などのことです。
厚生年金に加入中の会社員は、国民年金の第2号被保険者となるので、付加年金の対象にはなりません。
また、国民年金の第3号被保険者となる「夫の健康保険の扶養に入っている妻(妻の健康保険の扶養に入っている夫でも可)」も、付加年金の対象にはなりません。
では、国民年金の第1号被保険者なら全員付加年金に加入することができるのかと言うと、実は下記に該当する人は、加入できません。
- 国民年金基金に加入している人
- 国民年金保険料の免除や猶予を受けている人
なお、農業者年金に加入中の人は、付加年金は強制加入となります。
なるほど~。利用するには、いろいろと条件があるんですね。
そうですね。興味がある場合は、自分自身が利用できるのかどうかをしっかり確認していただきたいですね。この付加年金の制度ですが、利用するためには市区役所及び町村役場の国民年金担当窓口で加入の手続きが必要です。
それでは、今から「なぜお得なのか?」について具体的にお話していきますね。
はい!お願いします。
付加年金の保険料ですが、月額400円です。この付加保険料を一月納めると、将来の老齢基礎年金に年額200円の付加年金がプラスされます。
ね、ねんがく200円???どこがお得なんですか?
確かに年額で200円と聞くと「それだけ?」って思いますよね。でも、最後まで聞いてもらえるとお得だということを感じてもらえると思います。
付加年金がなぜお得なのかを感じてもらうために、具体的に計算してみましょう。
仮に20歳から60歳までの40年間ずっと自営業で、付加保険料も20歳から60歳までの40年間支払ったものとしましょう。
付加保険料は月額400円ですので、支払った保険料総額は、下記の通りとなります。
月額400円×480月=192,000円
この場合、将来いくらの付加年金がもらえるのかと言うと、
200円×480月=96,000円(年額)
96,000円は、192,000円のちょうど半額です。
つまり、付加保険料を40年間支払った場合の保険料総額の半分を、65歳から1年間付加年金をもらうことで回収できるのです。そして65歳から2年間付加年金をもらうことによって、保険料総額を全額回収できる・・・つまり2年で元が取れる計算になるのです。
その後は、長生きすればするほど、どんどんお得になっていきます。
参考までに65歳から80歳まで15年間付加年金をもらった場合の総額を計算してみましょう。
96,000円×15年=1,440,000円
いかがでしょうか?
おそらく「すごい!」と思っていただけたのではないでしょうか。
ちなみに、保険料総額の何倍になっているかも計算してみましょう。
1,440,000円÷192,000円=7.5
なんと7.5倍です!
7.5倍!!!すごいです!!!
すごいですよね。一月の納付で年額200円と聞くと「それだけ?」と思うかもしれませんが、仕組みを理解するといかにお得な制度かが、わかると思います。
なお、老齢年金とは別に、年金生活者支援給付金という制度が、消費税が10%に上がったのを機に2019年10月から始まったのですが、付加年金の額によっては、年金生活者支援給付金に影響が出る場合もありますので、ご注意ください。
年金生活者支援給付金については、厚生労働省の年金生活者支援給付金特設サイトをご確認ください。
【本日のまとめ】
自営業者などの国民年金第1号被保険者は、国民年金保険料に月額400円の付加保険料をプラスして納付することができる。付加保険料を納付すると、老齢基礎年金に付加年金をプラスしてもらうことができる。
付加年金は、月額400円の保険料を一月分払うと、年額で200円となり、2年間付加年金をもらうと元が取れる計算となる。
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